法政大学文学部日本文学科では、卒業論文(400字詰原稿用紙50枚以上。20000字相当)を、卒業の必須要件として課している。
卒業論文は、これまでに培った知識・思考力・文章力・調査力などをすべて傾けて作成される、学業の結晶である。
以下、「論文とはどのようものなのか?」「論文を書くにはどのような準備をしたらよいのか?」という基本事項を説明してゆく。
1(A)論文とは何か?
文学研究に限らず、論文というものは、構造として、次の三つの要素を備えていなければならない。
【1】 問題設定
……自分で「問い」を設定する。
【2】 根拠・具体例・論証
……その「問い」に答えるための証拠や例を挙げ、分析し説明する。
【3】 結論
……最初に立てた「問い」に答え、結論を述べる。
或る作品・或る作家・或る言葉・或る資料を対象として論文を書く、というとき、調べたことや考えたことをすべて詰め込んで20000字を満たしても、それは論文とは言えない。
調べたり考えたりしたことを元に、【1】自分なりの「問い」を立て、【2】それに答えるための証拠を並べて説明を積み重ね、【3】最初の「問い」に対する結論を出す、という構造を持って、はじめて論文となる。
右で「問い」と言ったのは、「○○は、××か?」という疑問文のことであると考えてもらえればよい。
自分が取り組んでいる作品・作家・言葉・問題について、「○○は、××か?」という形の疑問文を作ってみよう。
「谷崎潤一郎の『細雪』について書きたい」とか「擬態語や擬声語を調べてみたい」という漠然とした願望だけでは、まだ、スタート地点に立ったとは言えない。
例えばそれを、「『細雪』の中で天災はどのように描かれているか?」とか「『つぶつぶ』という擬態語は、古代から近世まで、どのように変化したか?」といった、具体的な疑問文に絞り込んではじめて、論文のテーマが決まったと言えるのである。
従って、何も読まず何も調べていない段階では、明確な「問い」を立てることはできない。
通常、4年生の春には卒業論文の題目を決定しなければならないが、そのためには、3年生最後の春休みまでに、興味のあるテーマについて下調べを行ったり、対象とする作品を読み込んだりして、具体的な「問い」を複数立てておく必要がある、ということである。
【1】 問題設定
……自分で「問い」を設定する。
【2】 根拠・具体例・論証
……その「問い」に答えるための証拠や例を挙げ、分析し説明する。
【3】 結論
……最初に立てた「問い」に答え、結論を述べる。
或る作品・或る作家・或る言葉・或る資料を対象として論文を書く、というとき、調べたことや考えたことをすべて詰め込んで20000字を満たしても、それは論文とは言えない。
調べたり考えたりしたことを元に、【1】自分なりの「問い」を立て、【2】それに答えるための証拠を並べて説明を積み重ね、【3】最初の「問い」に対する結論を出す、という構造を持って、はじめて論文となる。
右で「問い」と言ったのは、「○○は、××か?」という疑問文のことであると考えてもらえればよい。
自分が取り組んでいる作品・作家・言葉・問題について、「○○は、××か?」という形の疑問文を作ってみよう。
「谷崎潤一郎の『細雪』について書きたい」とか「擬態語や擬声語を調べてみたい」という漠然とした願望だけでは、まだ、スタート地点に立ったとは言えない。
例えばそれを、「『細雪』の中で天災はどのように描かれているか?」とか「『つぶつぶ』という擬態語は、古代から近世まで、どのように変化したか?」といった、具体的な疑問文に絞り込んではじめて、論文のテーマが決まったと言えるのである。
従って、何も読まず何も調べていない段階では、明確な「問い」を立てることはできない。
通常、4年生の春には卒業論文の題目を決定しなければならないが、そのためには、3年生最後の春休みまでに、興味のあるテーマについて下調べを行ったり、対象とする作品を読み込んだりして、具体的な「問い」を複数立てておく必要がある、ということである。
(以上、文責:加藤昌嘉)
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by la-fida-nifa
| 2010-10-31 06:09
| 論文を書くための準備